
スリランカの公用語は、シンハラ語。
まず、独特の文字が特徴的だ。
シンハラ文字がどんな感じかを知るために、まず文字の一覧表を。
母音文字
අ, ආ, ඇ, ඈ, ඉ, ඊ, උ, ඌ, ඍ, ඎ, ඏ, ඐ, එ, ඒ, ඓ, ඔ, ඕ, ඖ
子音文字
ක, ඛ, ග, ඝ, ඞ, ඟච, ඡ, ජ, ඣ, ඤ, ඥ, ඦට, ඨ, ඩ, ඪ, ණ, ඬත, ථ, ද, ධ, න, ඳප, ඵ, බ, භ, ම, ඹය, ර, ල, ව, ශ, ෂ, ස, හ, ළ, ෆ
第一印象としては、丸っこくて何だか愛嬌がある文字。
カエルのように見えたりもするし、お尻みたいな文字でもある。
実際シンハラ語がどのように書かれているかを知るために、ラトナ・シュリー・ウィジェーシンハという詩人による詩を挙げてみる。
「プン・サンダ・ラエ(පුන්සඳ රෑට)」
පුන්සඳ රෑටපුන්සඳ රෑට ඇවිදින් හේනේ කළුව බිඳරන්කෙදි සේම රන්වන් ඉරිගු ඉඹිනවදතුන්යම හීන දැක දැක මොටදැයි ගෙදර හිදරන්කද තාම පැල් රකිනවාදෝ නිදි නැතිවනිල් තරු රෑන ඉඟි බිඟි පාන අහස යටපිල්කඩ උඩම ඇලවී ඉන්න හිතයි මටමී අඹ කන්න ගිරවුනි එන්න එපා හෙටමල් පිපුනාට ගෙඩි නෑ තාම අඹ ගහටරන් කඳ සේම පින්සර මාගේ ඇතු නිදනරන් මල් යාන හීනෙන් දකින පින පමණතුන්පත් රෑන වේදෝ කොහොම අප දෙදෙනරන් කැටි පුතුට ඉඩ මදි වාද මගෙ යහන
もちろん全く意味はわからないが、宇宙的な雰囲気のある字面で、眺めているだけでも楽しい。
漫画のことはあまり詳しくないのだが、「ケロロ軍曹」の中で話されている言語だ、と嘘を言われても信じてしまうかもしれない。
カエルのようにも見えるし、お尻のようにも見える。
「お尻文字」は、例えば、
ඨ ඩ ඪ ධ ෆ
などだろうか。
お決まりだけど、シンハラ語の基本の挨拶を。
【シンハラ語の基本挨拶】
- アーユボーワン (ආයුබෝවන්) : こんにちは
- ストゥーティ (ස්තුතියි) : ありがとう
- ボホマ ストゥーティ (බොහෝම ස්තූතියි) : 大変ありがとうございます(より丁寧)
- コホマダ? (කොහොමද?) : お元気ですか?
- ホンダイ (හොඳයි) : 元気です
- オウ (ඔව්) : はい
- ナハ (නැහැ) : いいえ
カタカナでも通じると思う。
私はコンビニに入り、店員さんがスリランカ人だとわかると、カタカナ的に「ボホマ ストゥーティ」と言っているが、普通に通じる。
個人的には、シンハラ語に初めて出会ったのは、30年ほど前、シンガポールのゲストハウスで働いていた時。
前任のスリランカ人のアドゥラ(前回の記事では記憶違いから、別の姉妹店で働いていたガヤンと名前を間違えて書いてしまった)が教えてくれたのだ。
下の画像は、私が働いていたゲストハウスではなく、その姉妹店のブローシャに書いてもらって日記帳に貼り付けたもの。

その頃は、「シンハラ語」という言語名を知らずに「スリランカ語」と書いている。
「スリランカ語」という名称の言語は存在しない。
ちなみに、その「シンハラ語」のことを英語ではSinhala 、もしくはSinhalese という。
アドゥラがちゃんと「Sinhaleese」と書いてくれている(「e」が1つ多いが)。
「コホマダ サパサニパ」とカタカナで書いてあるのは、「お元気ですか」の意味。
先ほど書いた「コホマダ?」だけでも通じる。
කොහොමද? (コホマダ?) どう? / 元気?
සැපසනීප (サパサニパ) 健康状態、具合、調子
自分自身は「Backpaker's Cozy Corner」というゲストハウスで働いていたのだが、歩いて10分ぐらいの場所にある姉妹店は「Backpaker's Cozy Nest」。
「Cozy Corner」の元従業員アドゥラは、仕事に嫌気がさして、私に仕事を譲った(押し付けた?)。
私の名前は「コージ(コウジ)」なので、ゲストハウスの名前「コージー・コーナー」と音的に被っている。
「Cozy Nest」の従業員ガヤンは、アドゥラから新任の私の名前を聞いたと思われるが、初めて電話で話した時に、私のことを「コーナー、コーナー」と呼んだ。
「コージ」という彼らにとって聞き慣れない名前を覚えるのに「コージー・コーナー(Cozy Corner)」と掛けて覚えたらしいのだが、掛けた単語を思い出し間違えたようだ。
「コーナー」と呼ばれるたびに、慌てて「コージ、コージ!」と訂正するのだが、何回訂正してもすぐに「コーナー、コーナー」と間違える。
よっぽど、がっつり記憶してしまったみたいだ。
私も30年経ってガヤンとアドゥラの名前を間違ってしまったので、お相子の貸し借りなしといったところか、と言いたかったが、間違ったのはアドゥラの名前だったので、そうではなかった。
ガヤンの個性が強すぎて間違ってしまったということで、さらに彼にペナルティを与えたい。
でも明るくてすごく人のいいやつだった。
「ガヤン」という名前は、サンスクリットの「歌(gaayana)」「歌う(gai)」が由来で、音楽や芸術と深い関わりを持ち、人生に喜びや調和をもたらす存在になるようにという願いが込められることが多い人気の名前だそうだ。
何か有り難そうな名前らしいので、前言を訂正しなければいけない。
以前のシンガポールの記事の、「アドゥラ」と書くべきところを「ガヤン」と書いてしまったところは、逆にしばらく訂正しないまま、そのままにしておこう。
すまん、アドゥラ、そのうち訂正するつもりではいる。
不思議なもので、あの電話口のガヤンの「コーナー、コーナー」と言う声は、30年経っても彼の声色と共にしっかり頭に残っているものだ。
「ガヤン」という名前は伊達ではない。